[その2]の続きです。
※注意※
今回も前回に引き続き、一部グロテスクな表現があります。また、繰り返しになりますが、犯罪行為や差別行為等を賛美・奨励・助長する意図は一切ありません。特定の思想や宗教を批判・侮辱する意図も一切ありません。ご了承ください。
さて。
前回の記事でインナーサークルを解説しましたが、私が高三の時に出会い、一瞬で虜というか、凄まじい衝撃を受けたバンドもこのインナーサークル出身のバンドです。
はっきり言います。私はこのバンドが世界で一番好きなバンドです。
そのバンドの名は“エンペラー”。
“皇帝”の名の通り、個人的にはメタル界の帝王だと思っています。
メンバーは入れ替わり立ち代わりし、またバンド名も何回も変わっていったのですが、初期のメンバーはイーサーン(ヴォーカル・ギター)・サモス(ギター)・ツォート(ベース)・ファウスト(ドラム)の四人でした。
92~93年にかけて、デモテープを製作しアングラ界で人気を博していきます。
ところが92年に事件が起きました。
ファウストはある日、野外音楽フェスに出かけた際に一人の男性に声を掛けられます。
彼はファウストを森に連れていきます。実は彼は同性愛者でした。詳細はわかりませんが、彼はファウストがついてきた事で”同意”を得たと見たのかもしれません。しかし、ファウストにその気は無かった。結果的に、ファウストは、持っていたナイフで彼を刺殺しました。
ファウストは殺人罪で逮捕され、懲役14年の判決を受けました。
また、サモスも94年、前回の記事で紹介したヴァイカーネスと共に教会に放火し、逮捕。懲役16ヶ月の判決を受けます。
さらに、同時期にツォートまで逮捕されてしまいます。(理由は失念しましたが、確か窃盗…だったかな?)
エンペラーはイーサーン一人だけとなってしまい、実質的に活動停止になってしまいました。(なお、イーサーンはインナーサークルの一員であったものの、犯罪行為に興味が無く、13歳の時に出会ったサモスとバンドを組むような純粋なメタル大好きっ子でした。その為、彼は前科や犯罪歴は一切ありません。)
この期間、イーサーンは楽曲作りに専念し、ヴォーカル・ギター・ベース・ドラム・キーボード・シンセサイザー・作詞・作曲・編曲・DTMに至るまで、ありとあらゆるパートを一人でこなしています。
94年には1stアルバム『In the Nightside Eclipse』(邦題:闇の皇帝)をリリースし、高い評価を受けます。
(なお、この頃はレコーディング時期とリリース日のズレ、メンバーの加入や逮捕などの状況が入り組んでいて非常にややこしい事になっています。このアルバムの参加メンバーはイーサーン・サモス・ツォート・ファウストです。)
その後、95年にサモスが出所しエンペラーに復帰、活動を再開します。同時に、ファウストの代わりのドラマーとして、タリムが加入します。さらに実質的に脱退となったツォートの代わりにベーシストのアルヴァも加入します。
97年に2ndアルバム『Anthems to the Welkin at Dusk』(邦題:闇の讃美歌)をリリースしました。プログレ要素等がパワーアップしたこのアルバムは、人によってはブラックメタル名盤5選に入るかもしれません。
しかし、このアルバムリリース後にアルヴァが脱退。エンペラーは三人体制になります。
紆余曲折あり、ようやく落ち着いたエンペラー。ぶっちゃけ、私の中でエンペラーのメンバーといえば、イーサーン・サモス・タリムの三人です。
ここから2001年の解散まで、三人体制が続きます。
99年に3rdアルバム『IX Equilibrium』(邦題:闇の黙示録)、01年に4thアルバム『Prometheus: The Discipline of Fire and Demise』(邦題:闇の終焉~ラストエンペラー~)をリリースし、エンペラーは解散します。
解散理由としては、各々がサイドプロジェクトに専念するという理由です。
そして、2003年にはベストアルバム『 Scattered Ashes: Decade of Emperial Wrath』(邦題:闇の軌跡~ベストエンペラー~)をリリースします。
Scattered Ashes: Decade of Emperial Wrath
このアルバムはエンペラーの集大成であり、どれか一つ選ぶならコレです。
私が初めて聴いたエンペラーの曲は、コレの一曲目(元々は3rdアルバム収録)に収録されている『Curse You All Men!』という曲なのですが、高三でこれを聴いた時は、言葉に出来ない衝撃を受けました。
ちなみにこれ、機械翻訳的に直訳すると『全ての男を憎め!』ですが、邦題は『汝、人を憎みたまえ!』です(;・ω・)
……御託はいい…聴いてもらおう…
こちらはライヴ↓
間違っても
“ぽかぽか陽気の中、恋人とのラブラブなドライブの車内で聴く”
ような楽曲じゃありません(・ω・)
“深夜、真っ暗な部屋の中で黒いローブを羽織り、床に魔方陣を描きロウソクを立てて聴く”ような曲です( ・―・)
で、このエンペラーなんですが、2005年に解散時のメンバーであるイーサーン・サモス・タリムの三人で再結成して、アメリカやヨーロッパでツアーしてます。
で、2007年にまた解散しました…(´・ω・)
……と、思いきや2013年に再々結成しました(・∀・)w
今回は2003年に釈放されたファウストが復帰し、タリムが脱退しました。で、今回の再々結成では世界をツアーで周ったのですが、なんと初の来日を果たしました(゚∀゚)!!
が!!
日本公演ではファウストだけビザが降りず、入国出来ないことに!
……まぁ殺人罪の前科あるからそりゃなぁ…という感じですが(;´・ω・)
ドラムはサポートメンバーになるのかな……と思いきや、なんとタリムが日本公演のみ参加を快諾し、日本公演はイーサーン・サモス・タリムという私的ベストメンバーで行う事に!!
そして2014年7月17日、ついにエンペラーが日本初公演を果たしました(∩´∀`)∩♪
行きましたよ、私も!!
日本公演は、17日に渋谷のO-EASTで、翌18日に大阪のUMEDA CLUB QUATTROで行われまして、私は17日の渋谷公演に行ったのですが、Wikipediaによると18日の大阪公演はどうやらサモスが体調不良で出演できなかったようです(;´Д`)
ちなみになんですが、同時刻、渋谷のO-EASTの向かい側にあるO-WESTでは『セックス・マシンガンズ』のライヴがあったようで、周辺はエンペラーファンとマシンガンズファンでごった返し、両者ともダークな黒を基調にした服装が主流なので、”黒づくめのヤバそうな奴らが大勢溢れかえる”という状況でしたw
近くのコンビニにいた女子高生らしき女の子二人組は、
「えっ…えっ……なに…?ヽ(´Д`;≡;´Д`)ノ」
って言ってましたw
で、実際に生で見たエンペラーのライヴですが……
とてつもないものでした。
一言で言ってしまえば、全員バケモノです。
イーサーンの悪魔を具現化したような歌声、サモスのディストーションを効かせた地獄の叫びのようなギターはもちろんなのですが、圧巻だったのはタリム。
元々彼は、凄まじいブラストビートを無表情で息一つ切らさずにブッ叩くのですが、実際見てみるとその技術力の高さと正確無比な機械のような安定度に度肝抜かれます。
正直言って、ライヴでもDVDでも音楽番組でも、プロ・アマや国内・海外問わず、今まで見てきたあらゆるドラマーの中で間違いなく断トツでNo.1でした。
チケ代は確か8000円くらいだったのですが、ぶっちゃけ、タリムのプレイを見る為だけに1万払えます。
エンペラーは2017年のラウドパークにも出演していますが、個人的に忙しかったのと、単独ライヴが見たかったので参加はしませんでした。(ラウドパーク自体は初開催時に行きましたが、どうも私はフェスよりも単独ライヴの方が好きみたいです…w)
再々結成後は、彼らは断続的に活動を続けていますが、これからもガンガン皇帝の世界を見せて欲しいですね!
まーた長くなってしまった(;´Д`)w
でも、もうちっとだけ続くんじゃ(;´∀`)w
[その4]に続きます!